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東京高等裁判所 平成11年(行コ)26号 判決

控訴人

細井きく江

右訴訟代理人弁護士

横井治夫

被控訴人

中野税務署長 松尾洋二

右指定代理人

戸谷博子

須藤哲右

屋敷一男

伊藤浩視

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が控訴人に対し平成五年七月八日付でした平成二年三月一七日相続開始(被相続人細井稔)にかかる相続税の更正処分(ただし、裁決により一部取り消された後のもの)のうち課税価格一二億九四九五万八〇〇〇円、納付すべき税額一二七一万七一〇〇円を超える部分及び過少申告加算税の賦課処分(ただし、裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。

3  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

第二事案の概要

本件事案の概要は、原判決の「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決八頁三行目に「原告」とあるのを「亡稔」と、原判決添付の別紙物件目録二、1記載の建物の所在欄に「一一七五番六〇」とあるのを「一一七五番地六〇(平成三年一一月一日名称変更前の所在 東京都西多摩郡羽村町川崎字武蔵野一一七五番地六〇)」とそれぞれ改める。

第三当裁判所の判断

当裁判所も控訴人の請求は理由がなく、これを棄却すべきものと判断する。

その理由は、以下のとおり削除、附加、訂正するほか、原判決が「第三 当裁判所の判断」に説示するところと同じであるから、これを引用する。

1  原判決四一頁七行目の「行政法規」を「租税法規」と改め、同頁九行目の「このことは」から一〇行目の「妥当するものである。」までを削除する。

2  原判決四三頁八行目に「ないし本件中間答申の日の前」とあるのを削除する。

3  原判決四三頁一〇行目に「該当しないのであって、」とあるのを「該当しない。実際に、被相続人において本件特例の効力発生前に一定の財産を取得したとしても、当該被控訴人の死亡時期のいかんによっては、本件特例が適用されないことがあるし、また、取得した財産の譲渡、収用、民事執行等の有無のいかんによっては、その財産がそもそも相続税の課税対象とならないこともあるから、本件特例が直ちにその財産にかかる相続税を納める義務の内容に変更を加えるものということもできない。したがって、」と改める。

4  原判決四五頁一一行目から一二行目にかけて「に対する実質的な支配を有するに至り、そ」とあるのを削除する。

5  原判決四六頁三行目の「乙二、」とある前に「一四、」を加える。

6  原判決五二頁一二行目の「からすれば、亡稔は、」から五三頁一行目末尾までを次のとおり改める。「、とりわけ、〈1〉亡稔が昭和六二年三月三一日までに清算金二〇〇〇万円を除く売買代金七億二三二〇万円(手付金充当分五〇〇〇万円を含む。)を支払ったこと、〈2〉亡稔が翌四月一日に本件土地につき所有権移転登記を経由したこと、〈3〉賃借人サンフジ企画の明渡猶予期限が昭和六二年三月三一日に満了し、同日頃に亡稔に対し本件土地の引渡がされたと推認されること等にかんがみると、亡稔が確定的に本件土地の所有権を取得したのは昭和六二年四月一日と認めるのが相当である。」

7  原判決五五頁二行目に「昭和六一年三月一四日」とあるのを「昭和六二年三月一四日」と改め、五五頁八行目に「昭和六三年三月一四日」とあるのを「昭和六二年三月一四日」と改める。

8  原判決五五頁末行に「瀬古沢」とあるのを「瀬古沢の妻房代」と改める。

9  原判決五六頁九行目の「本件土地は、」から五六頁一二行目末尾までを次のとおり改める。

「賃借人サンフジ企画の明渡猶予期限が昭和六二年三月三一日に満了し、同日頃に亡稔に対し本件土地の引渡がされたと推認される。」

よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(口頭弁論の終結の日 平成一一年七月二二日)

(裁判長裁判官 増井和男 裁判官 髙野輝久 裁判官小圷真史は、転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官 増井和男)

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